二ヶ月ぶりの月報です。
---
子どもの頃、トイレで一人でおしっこをしているときにふと「誰なんだ? おれは」と、疑問に思った。その答えはどこにもなく、べつに、誰でもない。ところが、それまで疑いようもなくそこにあった気がする「誰なんだ? おれは」の答えが、突然解体されてバラバラになったような感覚に襲われた。もしかしたら「おれ」は将来、歴史に名を残したり、幕府を創設したり、ポケモンの最初の街のネズミだらけの森にたった2%の確立でしか出現しない、みんなが心待ちにしている最高にイケてる黄色いポケモン的な存在になるかもしれないし、もしかしたらたった一人の大事な人から愛されるかもしれないし、その人を決定的に傷つけてしまったりするかもしれないけど、しかし、たとえ、それらすべてが現実になったとしても、誰でもない。そういうかんじ。
「だれなんだ? おれは?」
こういう感覚に陥ることって誰でも一度くらいはあるだろうか。「宇宙のおわりってどうなってるんだろう?」系統の疑問と同じで、考えれば考えるほど、意識ははっきりしているのに、頭の中身がこぼれ落ちないように縫いつけてあった頭蓋骨の縫い目がはらはら解けて中身がふわっと海風に乗って沖に散らばって「あーあ」ってなる。
しかし、その当時は心があまり濁っていない子どもだったので、
「あ。おれはおれだったわ」
と、一瞬で答えを取り戻し、無事に便所を出ることができた。
あれから何年も月日が経ち、大人になって、今、たぶん、けっこう同じ気持ち。強烈な誰なんだおれは? がかれこれ一ヶ月くらい続いており、自分のどろっとした一部分だけが、あのときの便所からずっと出られていない気分。
子どもの頃は、ただすっぱだかで生身でいるだけで、「どっからでもかかってこいや」「矢でも鉄砲でもなんでももってこいや」という気分でいれたし、ただ生きているだけで充足していた。しかしある部分ではずっと不確かさや不安みたいなものがあって、大人になるにつれて、後からくっつけたいろいろな付属品や人間関係やなんやかんや、自分の外部によって自分が誰かを説明することで安心を得ていたため、いま、身の回りに大きな変化が起きて、親しい人がえらいことになったりなんやかんやあった結果、大きな穴の空いた空間には「誰なんだ? おれは」だけがある。
ある寺に、三百万円もの大金をお寄付した男がいた。彼は名前を名乗らず去ったので、寄付者の名前を掘る柱には、「某」とだけあるという。この男は非常に賢明だ。
老荘思想で有名な「老師」は、実は名前ではなく、本来は固有名詞ですらなく、「そのへんを歩いていた知らないじじい」というくらいの意味でしかないという。古代中国には、シンセサイザーもヒップホップもなかったが、そのじじいは、吐く言葉すべてが生き生きと、ただ思っていることを言うだけで聞くものを現世から解き放ち「ハイ」にさせてしまったものだから、そんなじじいをいたく尊敬した若者が、じじいに名前を尋ねた。
「あなたはもっと有名になって Youtube Liveとかで100万回再生されたりするべきだ。芸名を教えていただけませんか?」
じじいは苦笑い。
「いやおれはただその辺を歩いてるじじいだから 笑」
じじいはその若者から全力で逃亡をはかり、険しい山中へ消えた。二度とは歴史の表舞台にあらわれなかったという。
こうして彼はただ「老師」として名前が記されている。このじじいも非常に賢明だ。
こうした賢明さが足りなかったんだろうか。だれなんだおれは。
## C\# Kaigi 2026
C# Kaigi 、参加しました。
C# Kaigi なるものが開催されたんです。ウソじゃない!
[C# Kaigi 2026 | 公式サイト](https://csharpkaigi.net/)
ほらね。ちゃんと開催されていた。このウェッブサイトが証拠さ。
僕は職業プログラマとしてはそれなりの数のプログラミング言語を扱ってきた方だと思うのですが、そのなかでもC# は総合的に優れたプログラミング言語そしてランタイムである、風が呼んでいる、と、近年はそう思い続けています。
一方、Web開発界隈など、C#が本来はターゲットとしていてかつ情報発信や入門に開かれている界隈では、なぜかC#の名前があまり挙がらない、あるいは過去のWindows路線のイメージが足をひっぱっていて煙たがられている、といった状況にあることが知られてます。
僕はもはや、「C#の価値はおれだけがわかっている」「おれだけが奴を理解している」といった、一般に評価されていないところに「味」を感じる、そんな倒錯した感情さえ芽生えているほどです。逆に流行ったらこの熱も冷めるかもしれない域に達しています。
そんななか、「C# Kaigi」です。これまでありそうでなかった、C# という言語そのものをテーマにした集いが開催されました。
UnityはUnityでけっこうコミュニティがあったりするけど、C#そのものの集いはそこまで目に入ってこない気がします。理由はよくわかりません。Microsoftがトップダウンで開発しているせいなのか、元々はけっこう閉じた文化圏だったからなのか、よくわかりませんが、ないならやっちゃえばいい、と、この流れを変えようとする試みをしてくれる方々がいて偉すぎです。
世間のC# の評価が、少なくとも素直に実力に見合ったものになるためになにが必要なのか、わかりませんが、このようなカンファレンスに情報発信の火が集うことで、大きなキャンプフィアヤー的な炎となった結果、遠くからも灯りがぼんやり見える、そういった事例もけっこうあるとおもうので、このイベントが継続されることを期待したい。(遠くから) (足元に咲いた綺麗な野花を踏まないように歩く以外のことはなにもできないが)
個人的な事情であまり準備時間がとれませんでしたが、僕もがんばってレギュラーセッションで発表させてもらいました。1ミリくらいは盛り上がりに貢献できてたらいいなとおもます。
### 各セッションの感想
募集テーマは「C#に関することならなんでも」ということで、どっからでもかかってこいや的な大きな構えでした。
結果的に、C# やってる人がC#の取り組みを発表する、これだけで自然とそれなりにハイレベルな会合になっていたような気はします。
そういえば、RubyKaigi の場合だと、たんなるRubyユーザ目線の内容は基本的にはプロポーザルを通らないそうです。言語そのものの改善や、光が当たりずらいが技術的なシリアスさがナイスな内容を取り上げることを指向していると聞きました。(注: 正確にはどういう表現をしていたかはうろ覚え)
テーマを絞るのもそれはそれで欠点があるとおもいますが、いち聴講者としては、技術的に秀でている内容、カマしている内容、他言語コミュニティにも響くようなイケてる取り組みとかを見たいところではあります。
初回の開催でしたが、昔からの.NET使いの人、ゲーム開発の人、Unity界隈の若者もなども参加していて、C#全般の集いにふさわしい内容がいろいろ聞けてよかったす。
以下、各セッションの感想というか、聞いていて自分が思ったこととか。
#### 【基調講演】C#の現在地 進化の歴史と、AI時代の.NET Everywhere
https://speakerdeck.com/neuecc/c-no-genzaichi-shinka-no-rekishi-to-ai-jidai-no-net-everywhere
C#基調講演にふさわしいテーマが語られてました。
C# 1.0以前 からの歴史の話は僕はよく知らなかったんですが、昔からけっこう他言語にない攻めをしていたんやなと。
初期の値型の導入は、たしかにC# を語る上で欠かせない要素だと思います。僕が最初に魅力を感じた点のひとつだったような気がします。値型は、パフォーマンス面だけでなく値というセマンティクスを表現する上でも良いとおもうんだよね。 (等値評価の自動実装がダメであることを破壊的に直してほしい気はするけど)。
明確に型レベルの値型を真似ているのはSwift、(Kotlinのinline classも近い?) とかなんですかね、もっと主流になっていいものな気もしますし、C#はC#で、本当の値型がないJavaからrecordキーワードを輸入してる場合じゃなかった気もします。
後半は、やっぱり誰もが気になるAI 時代の生き様の話も語られていました。AI 時代でもC# は戦えるヨ、 性能面もすごいわけだし、Analyzer自作機能が追い風。たしかにそうかも。
AI に書かせる言語としては Rust と Python…… 的なコメントもちらっとあり、気になった。自分は C# 以外はまだちゃんと AI に書かせてないので、ちゃんと比較ができてないけど、たしかに Rust は手書きより良いもの出てくるというイメージがあるかも?
ただ Rust はどうなんかなー バックエンドのアプリとかだと決して向いてるところばかりではないとおもうんだよね。
- Rustは全体的にアプリの関心にないところの記述量がが常に多くなる。C#ほか、アプリケーションレイヤーをターゲットにしている言語の場合、基本はシンプルで、がんばって最適化するところだけ記述量が多くなるのがふつう…
- C#やJVM、Goのほうがコンパイルが圧倒的に速い。
てことでまだまだC#に期待したい。
ところで neuecc氏の話は語り口がおもしろいですね。この話のおもしろさがどこから来るかというと、主観的な視点をはっきりと持っていることが影響してると思います。
世間一般での評価がまだ固まりきっていなかったり、誰も賛否はっきり表明してない対象に対しても「良い」とか「ダメ」とか、たしかな意見を言ってくれる上、その上に構築されるソリューションにも説得力があるので、聞いてる方も「あーおれもそう思ってたんだよね」ていう気分になるっていうか。明確な意思を持っていることと、それを貫くことが、次のソリューションを生むこととはやっぱつながってるんですよね。ソフトウェアエンジニアの学習は、まず既存のソリューションの意図を理解することから始まるわけですが、そこは始まりに過ぎないのである。
#### ふとしたことから始めた .NET ランタイムへのコントリビュート
https://www.docswell.com/s/prozolic/KGNV4N-2026-09-19-230203
C# 開発母体のMIcrosoftの外からのコミュニティからだと、 C# 自体をつくっている話はあんまり聞けなそう、と思いきや、このような発表もあって興味深かったす。
僕は自作のライブラリを無からつくって放り投げる活動は割としているんですが、こういう巨大なrepoにきちんと貢献できたことはほとんどないので、おもしろく拝聴しました。やっぱりMSの外からのライブラリへの貢献はコミュニティにとっても重要だと思うし、オープンソースの良心ですね。
AI時代になりましたが、以外と手が回ってない改善って普通に残ってるんやな、ていうのは少し盲点でした。人手があるとやっぱ良さそう。
prozolic氏は、コントリビュートするだけでなく、dotnet/runtime のコミットを要約する [PR Digest.NET](https://prozolic.github.io/PRDigest.NET/) も運営されていて、すごい偉大です。このサイトはこれを機にチェックしなければ。
#### 動作中のプログラムの中身をリアルタイムに覗く — 実行を止めないデバッガのコンセプトとRoslyn計装によるC#実装
https://speakerdeck.com/prota/realtime-debugger-for-csharp-with-roslyn
これはまじですごかったですね。
未見のかたは是非動画をみてほしいです。
GUIとかゲームとか系統の文化圏って、見たことのないものを実装する力に秀でた人がけっこう多いんですよね。Webサービス界隈だと、「見たことがあるものをより高効率に書ける」という方向に実装力が向いてるんで、文化的に対照的だと感じてます。
このプロ太氏のリアルタイムデバッガー、初めて見ましたが、論文などでの発表は過去にもされているとのことです。視覚的なインパクトがすごいので、もっと普及してたり知らてもおかしくないものな気もしますよね。
スタンドアロンなアプリとしてでなく、Visual Studio とかRider とか の普及しているIDEのプラグインとして実装してくれると軽い気持ちで使えて、既存のワークフローに組み込みやすくて嬉しいかも。
この発表は、投票で見事一位を獲得されていましたね。実現できてることのインパクトが秀でているので文句のつけようがないっす。
ところで発表内容への投票ってむずかしいですね。デモがすごい、というのは脳みそに記憶がはっきり焼きつきやすいのは確かですが、個人的には話のおもしろさにけっこう評価の重みづけしたい方かも。
#### MagicOnion + quiche + UnityでgRPC over HTTP/3を実現する
https://www.docswell.com/s/nuskey/ZN788L-magiconion-quiche-unity
Unity界隈でよくみかける nuskeyさんの発表。
題材としては Unity で gRPC over http/3 を動かすため、Rust製実装quicheを組み込むっていう取り組みでした。 Unityにないものを持ち込むために Rust を組み込む、ていうのは自分も最近けっこうやってたんですが、この辺のできることの広がりと、FFIによる組み合わせはおもろいっす。
YetAnotherHttpHandlerの存在は知ってたっていうか使ってましたが、これの http/3 の版つくっちゃうっていうのは思いつかなかったな。このアイデアはイケてますね。RPC用途だけでなく、アセット配信とかでも有用な可能性はありそう。
.NET環境では http/3 のAPIが入ってる、と思いきや、C#全体のhttp/3対応状況なども知れてよかったです。サーバサイドだと割と普通に使えるっぽいですが、システムのlibmsquicが必要なんすね。なぜ。
発表でもちょっと触れられてましたが、 gRPC って、HTTPのtrailer仕様が必要なせいで、未サポートな環境を多々生みだしてしまってるのがかなり残念っすよね。 trailer必須じゃなければブラウザでも普通にそのまま動いたわけだし、deno や web標準の上でもつかえたわけで、もっと主流になってたんちゃうか的なことはおもっちゃうよね。
質疑応答の時間では、当然のようにUDPを本番で使ってる勢っぽい人からの質問が発生しててそこも見所でした。たしかに実戦ではフォールバックが必要かもしれません
#### Cloudflare Workers 向けアプリを C# で構築する ~ WASM Native AOT への道~
https://speakerdeck.com/nenonaninu/cloudflare-workers-muke-o-c-de-kouchiku-suru-wasm-native-aot-heno-michi
個人制作などごく小さな規模からWebアプリつくろっかなー って思ったとき、もはや Cloudflare が使いたくてしたがない昨今。みんなおうちの冷蔵庫にClaudflareとねずみのANDYのステッカー貼ってると言われてます。
もはや「Cloudflare で動く」というのは、その言語にとってのある種のステータスになってるかも。
動くつっても、WASMのインタプリターで動いているだけのものがたぶんけっこう多い状況のなか、C# はガチなので、 WASMに AOTコンパイルされてほしいところです。この発表ではまさにここに切り込んでいっており、どこまで遠くへ行けたのか、期待が集まるものとなってました。
wasmまわりに疎いのですが、どうもdotnetlabの NativeAOTでWASMにコンパイルするやつはけっきょくllvmを使ってる(?)てことみたいで、そこを色々ハックしていくと色々なるそうです。その上で、 Coudfalre上で実際に動作させるための様々なハードルと対策が紹介され、途中、「ぐぬぬ」とだけ書かれたスライドのページが写されるなど、道程の険しさが語られました。
けっこう陽の当たる道を行っていて可能性を感じました。
wasm ちゃんとさわらないとなー
#### C#でブラウザ(JavaScript Engine, HTML Renderer)を自作して学んだ高速化、効率的なメモリの使い方
https://akeit0.github.io/csharp-kaigi2026-presentation/html/
作っている範囲が膨大ですげーです。
発表スライド自体も自作jsエンジンと自作HTML Rendererで動いていると。
普通はそこからつくらないだろ、を動くところまで持ってきている大きな題材だったこともあり、聞いてる方がすごさを理解する前に次のすごいトピックがさらっと語られていく、という印象だったんですが、後半、自作ブラウザーの描画くずれによって自作であることが視覚的にわかったり、質疑応答ではフォントレンダリングもすべてつくっていることが判明し、日本語縦書きやRTL言語フォントもサポートされている、などのやり込みっぷりに会場も湧いてました。
AI を使うと、手書きで到達できなかった規模と難しさのソフトウェアが書ける、という感覚はけっこうあるのだけど、ここまで大きくて難しいものをつくったことはないなあ。AIがあればできるってもんでもなく、かなり中身を理解しているからこそだとおもう。
個人のレベルでここまで行けるとなると、OSSライブラリというものも、再利用可能な小さい部品を公開するというよりは、もっとオールインワンでアウトオブザボックスで デファクトスタンダードを置き換えてしまうような巨大なソリューションがいきなり公開されて街を破壊することが増えそう。そんな予感を感じさせてくれた。
### おれの発表
https://speakerdeck.com/hadashia/saisoku-no-read-seinou-o-mezasu-pyua-c-sei-kumikomi-db-jissou-c-kaigi-2026
実はプロポーザルは二種類投稿していたんですが、上記、組み込みDB最適化だけ採択通知をもらってました。
別の案は、[CHibiRuby](https://github.com/hadashiA/ChibiRuby) でやってた、C# のasync/awiatの上にasync/await構文がないスクリプト言語を乗っける的な話で、個人的にはこっちのほうが他言語との比較という点ではおもしろいかなとおもってたんですけど、今回は全体的に最適化に振った話があんまりなかったのでちょうどよかったのかな。
DryDBは割と放置気味だったんですが、C# Kaigiのためにすこし最適化を詰めて臨みました。
実は以前、某所でAkeit0氏 から最適化のアイデアをもらったりしてたんですが、今回の発表ではようやくその内容も入ったりしてました。アイデアをもらったときは、「あー速くなりそう」と思ったものの、取り込むまでの道筋があんま見えてなくて、あたため状態だったんですが、今回改めて、claude と戯れたりした結果、claudeも割と似た案を出してきて詰めやすかったというのもあって、色々とアレした形で実装&解説ことができました。
発表後には 知り合いの方々とすこしお話できて嬉しかったです。
DryDBをUnityとかでつかうニーズはある、という声もいただけてよかったです。実際、たぶんまだ自分も含めて本番でつかってる人いない状況で、アレなんですが、次の個人プロジェクトとかでは導入してちゃんと使えるものにしていきたいとはおもってます。
一応、それなりにC#の最適化の出し物としての枠に穴を空けずによかったよかった。
以上。C# Kaigiの感想おわりです。
## ゲームつくったよ
ところで、 個人制作で [ぶたのゲーム](https://unityroom.com/games/buta_no_geemu) というゲームをリリースしたヨ。

なんと実況してくれている人も観測しています。
みつけてくれてありがとうございます m(_ _)m


> [!NOTE]
> 自分のゲームが実況されてどんなありさまになっているかを直視できてないため、長尺のものはちゃんと観れてない
長らく、ゲームつくってるつくってるとか言いつつ、なにも完成させられていない時期が続いてました。断片的なアイデアを暗がりでこねながら、「なんかなー」「なんかなー」とか言っているうちに、いつのまにか、降り止まない雨のせいで、腐っている。捨てる。といったことを繰り返してました。
自分にとってゲーム制作だとか創作だとかって、ルールや評価軸がはっきり決まっている競争からの逃避のための活動なので、自己満足が大事なんですけど、それらを突き詰めるための方法論というか素直さというか、開き直りというか、がまったく足りていないので、考えるほど逆に制約を自分に課してしまって手が止まってしまう(?)
ルールもゴールも明確に決まってる種目であれば、「考える」ってけっこう机の上でできる方法論がいろいろあって、がんばるだけっていう意味では簡単なんですけど、そもそもどっちへ行きたいか、どんな形をつくりたいかを無からつくる方法論を持っていなくて、そのくせ自分への制約や理想を課しすぎなので、自然と無意識になんか固まるのを待つ、みたいになっちゃって、気がついたら時間が経ってる。
とはいえ形にしないと次に進めないし、失敗すらできないのは進歩がない、てことで、「ぶたのゲーム」は、とことん完成させるハードルを下げ、完成させることだけを目的にした企画でした。
- 基本的に適当に描いたぶたのキャラしか登場しない
- ぶたは歩くことと会話することしかできない
- 色はアクセントカラー1色のみ
この制約によってハードルは下がったはずなんですけど、これをやっている間に、なぜかRuby処理系を作ったり、RubyKaigiに登壇したりとかもなぜかしてしまったりして、結局時間かかったな。プログラミングって、部屋のそうじみたいなものに似ていて、本筋のことが行き詰まったときの逃避行動というか、なんも考えなくてもなんかやっちゃう行為になりがち。意識的にやらないようにしないと、ふと気がつけばコード書いてる、みたいなことになりがち。
でもあれです。AI の登場によって、プログラミングそのものに遣う時間はかなり減りそうなので、助かったわ。
ぶたのゲーム、自分としてはかなりまとまった出来にはなってけっこう満足してます。もちろん、そもそもの表現力、メカニクス、そもそもゲームなのかこれは、とかとか、赤ちゃんがやっと二本足で立ったレベルなんですが、それでもなんにせよとりあえずひとつ形にしたおかげで、次にやりたいことが色々できました。玉のような赤子です。
次もゲームつくってみようとおもいます。次回作のタイトルは決まってます。「生身だから」というタイトルです。
## ひっこしました
うかつに書けないような個人的な事情で色々ありまして、実は東京からちょっとだけ遠方に引っ越しました。特急で新宿へ一本で行けるものの、毎日通える距離ではなくなっちゃいました。
空気も水もとても綺麗な場所です。水道水が地下水由来でお水が綺麗なので、髪の毛がすごくやわらかくなり、身体のつまりがとれました。夜がしっかり暗いので、眠れるようになりました。
最寄り駅まで徒歩だと30分くらいかかるんですが、駅まで出るとセンスが良いお店、しゃれたお店、素材と出所のたしかさがあるお店がいろいろあるし、昔からの建物のよさと慎重に手を入れられた内装によって、東京よりも街が洗練されていて好きです。無闇やたらと光ってないし、注意を惹こうとしてない。ヘンな広告もない…。
逆方向に歩いていくとすぐ山があって、熊に注意の看板だらけです。生態系が豊かです。虫と鳥の種類が多いので、蚊ばっかり繁殖してるなんてことがない。大抵の公園は、背丈の低い草で覆われており、裸足で歩くといいかんじです。
引っ越すまで知らなかったんですが、歩いていける自然公園で [音楽フェスやってた](https://ringofes.info/) ので突発参加しました。こんなに自然豊かなところでこんなに騒音撒きちらしていいのか? 虫の生態系がぶっこわれるのでは。人間はクマに殺されたほうがいーんじゃないか? という気持ちとは裏腹に、森で屋外で聞く生の音楽がよすぎて泣いた。
近所にある井戸水がまじでうまいです。(市が水質検査してます) 日を置いて何回も確認したけどやっぱりうまいです。お茶やコーヒーは半分以上が水の味で決まるとおもっているので、本当に生活が改善しました。日々感謝してます。まだ水の味がわかる程度には自分の味覚が機能していたことにも感謝しました。
です。
した。